たまにチーム名にある「ディナモ」について、ディナモキエフの「死の試合」について

ディナモキエフディナモザグレブディナモモスクワ…

このようなチームを見かけた時、「ディナモってなんぞや?」と思ったのは僕だけではないはずです。今回はたまにチーム名に入っている「ディナモ」について紹介したいと思います。

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ディナモとは?

 

 

ディナモは英語で言う「Dynamic」、つまり「動くこと」を意味し、「綜合スポーツクラブ」を意味します。遡ること1887年、「ディナモモスクワ」が元祖ディナモとして紹介され始めました。当時は「ディナモ」ではなく「モロゾフツィ」という名称だったそうです。そして1917年、ロシアでもサッカーが盛んになり当然国家が介入し始めました。そこで電気技師のグループが独自のスポーツクラブを作ろうということで「ディナモ」へと改名し、1923年にディナモモスクワの歴史が始まります。(ヤシントロフィーのレフ・ヤシンさんもディナモモスクワの選手でした)ちなみに「ロコモティフ」は鉄道組合のチームで「CSKA」は陸軍から派生したチームらしいです。

やがてソ連を建国したレーニンスターリンは秘密警察に力を注ぎ始めます。そして「体制側にもクラブがほしい」という考えに至り、当時リーグ10連覇を達成したディナモモスクワにターゲットを定めます。そして秘密警察であるチェッカーがディナモモスクワの運営を支配しました。そこからディナモザグレブディナモキエフなど、ソ連と関連する地域に多くの「ディナモ」が誕生しました。それによりディナモは体制側の代言役という捉え方をされ、憎悪の対称となりました。通常共産主義のシンボルカラーは赤ですが、ディナモのチームカラーは青が多くディナモのライバル関係に当たるクラブのチームカラーは赤でした。そういったことから反共産主義者は皆ライバルチームのサポーターとなり、反共産主義の意思表示をし始めるのでした。(ディナモモスクワvsスパルタクモスクワが象徴的かもしれません)

 

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ディナモキエフの「死の試合」

 

ここからはディナモについてではないですが、今の情勢と重ねると感じるものがあると思ったのでこの話題を。

1941年、ナチスドイツの侵攻によりキエフはドイツ占領下になりリーグが一時中断されました。ディナモキエフの選手も強制労働に従事することになりましたが、休憩時間に草サッカーをしました。するとこの話を聞いたドイツ側が枢軸国の幾つかのチームと対戦することを申し込み、試合を行うこととなりました。翌年7月に試合を行いキエフは勝利を収めキエフ市民達からの評判を得ると、それを快く受け止められなかったドイツ側が同年8月に強豪であるドイツ空軍との試合を申し入れました。占領下にあったディナモキエフは試合前に「もしドイツ空軍に勝ったら殺す」と言われていましたが、プライドを捨てきれず5-1で勝利しました。その後再試合を申し込まれましたがこちらも5-3と勝利し2連勝を収めました。その後選手たちは収容所に連行され、多くの選手が処刑されました。これは漫画の「実録サッカー戦士」や映画の「勝利への脱出」のモデルにもなりました。しかしこの話には確固たる証拠がなく、近年ソ連プロパガンダによるデマではないかという話も広まっています。

 

最後に

いかがでしたでしょうか。ディナモ以外にも「レアル」や「カルチョ」などさまざまなチーム名に隠された歴史などを知るのも面白いので是非この機会に調べてみてはいかがでしょうか?

そして何よりロシアとウクライナの戦争問題などで世界が揺れていますが、僕はこのような情勢だからこそ「死の試合」について知るべきだと思います。これを機に少しでも死の試合について知り、知人などに拡散してくれれば平和に一歩近づけるのではと思います。平和が1番。ただそれだけです。

それと、「戦争は情報戦」という言葉がある通りどの情報が正確かわかりません。SNSで流れている情報を鵜呑みにせず、こういう時こそ冷静に物事を判断しましょう。

それではまた次回お会いしましょう。